顔配列における追加・削除変化の認知に及ぼす職業的ラベル付けの効果
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概要
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本研究では、顔配列の追加・削除変化の認知に、職業ラベルが喚起するスキーマが与える影響を調べた。被験者は、学習期に3つか4つの顔からなる10の配列を見た後、テスト期に無変化の配列と特定の顔が追加あるいは削除された変化配列についての再認テストを受けた。ラベルなし条件では、被験者は顔配列だけを学習したが、ラベル条件では顔配列は職業ラベルとともに呈示された。実験1では、顔配列を構成するすべての顔は一つのラベルに一致していた。実験2では、4つの顔からなる顔配列に、ラベルと一致しない顔が一つ含まれていた。結果として、顔配列に不一致の顔が含まれていた場合にのみ、職業的なラベルは追加と削除の再認成績を向上させた。また、不一致の顔を含む無変化の配列の再認において、職業的なラベル付けをすることが、その配列を以前見たとする再認を損なった。本研究の結果は、スキーマが顔配列を全体として処理するよう個々の顔を互いに関係づけ、顔配列の再認に影響することを示唆するものであった。