A Summer Bird-Cageにおける女性達の運命 : 二人の姉妹を中心として
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概要
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Margaret Drabbleは、処女作A Summer Bird-Cageで、生きることに食欲な1960年代の二人の若き姉妹の生き方を中心に描いている。二人は、人生に於いて様々な特権を与えられているが、彼女達の人生は彼女達の特権、貪欲さにも拘らず意図する方向に容易には進まない。二人の姉妹以外にも、A Summer Bird-Cageには多くの女性達が登場するが、何故か「幸」には遠い女性達が中心である。社会の入口に漸く差しかかった姉妹の一人であるSarahが女性であることの不利益、女性の不幸な運命を作中、吐露するほどに新しい時代であるはずの'60年代も、女性にとっては生きづらい時代だったようである。Drabbleがこうした薄幸の、挫折した女性達を描くことに何の意図があったのかよく判らないが、今までイギリス小説が伝統的に果して来た役割、Drabbleの小説の今後の展開から鑑みて、Drabbleがイギリス社会の改革という社会的願望を持って、少々辛辣にイギリス社会に問題提起をする為にこうした女性達を描いているのではないかと結論づけた。
著者
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