Listening Comprehension And Short-Term Memory
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概要
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リスニングを考えるに当って、対話にみられるような瞬時的な音声情報処理過程では、音声が一過性であることから、短期記憶が関わっていると考えられる。本稿では、日本人英語学習者の短期記憶領域内のリスニングについて考察を行った。Miller(1956)は短期記憶領域内で知覚を通して処理できる情報ユニット数の上限は7プラス/マイナス2であるとしているが、この制約が、英語学習者のリスニングにどのように作用しているかを考察するために、単語を情報の最小ユニットにとり、文レベルで実験を行った。日本人大学生69人を被験者にとり、一文中の語数の異なる15英文(3語から17語)について、口頭による直後再生テストを行い、テストスコアに順じて3グループに分け、比較分析した。その結果、上位グループでは再生スパンが長く、chunkingがより多くの単語の再生を可能にしていることが確認された。また再生エラーを分析してみると、音声的、意味的、文法的及び、これらを組み合わせた要因に起因するエラーが見られるが、リスニングカの高い被験者には、特に、文法的・意味的エラーが多く見られ、複数次元に渡る言語知識が瞬時に活性化され、chunkingを可能にし、より効果的なリスニングをバックアップしていることが明らかになった。
- 九州女子大学・九州女子短期大学の論文