都市中学生の運動生活とスポーツ意識
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概要
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1.都市中学生のcentral life interestをみると,勉強に重点をおいて生活しているといえる。そのため彼等の日常生活において活発な身体活動は貧弱である。これを満たすものが学校における運動部活動であると考えられる。運動部活動をしない生徒は,その時間をすべて勉強に使うというわけではなく,家の内外の遊びが身体活動の代償となっていると思われる。進学などと関連する塾やけいこごとは,彼等の運動部活動の障害にはなっていないように思われる。また,地域における各種スポーツ教室とか民間のサークルや団体の提供する活動への参加は,現在のところ低い。2.中学生においては,クラブ活動や遊びを通して親友を得たり友人関係を結ぶことが多い。運動部員は選手層と同好会的部員と名目部員にわかれる。運動部では,選手はやや勝つことに傾き,同好会的部員は楽しみと訓練をめざし,名目部員は楽しみを求めている。女子にくらべて男子の方がやや勝敗志向が強く,活動に対しても積極的である。運動部に対する希望や悩みとしては,施設や運営や指導の仕方に関するものを多くあげる。同好会的部員は楽しく仲よくやてていきたいと希望するのに対し,名目部員は全般的に多岐にわたる不満や悩みをあげる。換言すれば,これが彼等を名目部員にしている原因とも考えられる。3.好きなスポーツや遊びについては,アレア,イリンクス,ミミクリー的なものや,パイディア的なものより,アゴーンへの志向が強い。そして実際にやってみたい活動としては,サッカー,バスケットボール,バレーボールなどのアゴーン的な要素が強く,しかも集団で行うものを強く望んでいる。また,スポーツの試合で大切な点として,正々堂々とまじめに行うことや,苦しさに負けずにがんばることなどを高く評価している。彼等中学生は,スポーツや遊びに対して旺盛な興味と健全な意識をもっているとみうけられる。
- 1973-10-31