α_1-アドレナリン受容体系の機能的同種脱感作におけるタンパク・キナーゼC依存性経路の関与
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概要
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α_1-アドレナリン受容体系の機能的脱感作メカニズムについて、特にタンパク・キナーゼC(PKC)に関連して検討を行なった。標本には内皮を剥離したラット胸部大動脈標本を用い、機能的生理反応として収縮反応を測定した。α_1-アドレナリン受容体の刺激物質であるノルエピネフリン(NE)を10μMの濃度で2時間標本を処置することにより、その後標本のNEに対する感受性は低下したが5-ヒドロキシトリプタミンに対する感受性は変化せず、NE処置による同種脱感作現象の発生が示された。同脱感作におけるPKCの関与を検討するために、NE処置時にPKC阻害物質であるH-7[1-(5-イソキノリンスルフォニル)-2-メチルピペラジン2塩酸塩]を共存させたところ、脱感作の発生は阻害され、一方PKC活性化物質であるフォルボール・エステルによりNEに対する収縮反応は抑制された。α_1-アドレナリン受容体系の機能的同種脱感作にはPKCを介した経路が関与することを示唆した。
- 九州女子大学・九州女子短期大学の論文