ソンディ・テスト研究II : 事例理解へのアプローチ(1)
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概要
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本論文で考察する事例には2つのテーマが含まれている。第一はソンディ・テスト(Szondi-Test)を用いたクライエントの深層心理の理解についてである。第二は学生相談臨床における各関係部署のリエゾンの難しさについてである。筆者は心理臨床における本テストの有効な活用性について1995年から事例研究を基本とし研究を継続してきた。成果は博士論文『心理臨床におけるソンデイ・テストの活用法の研究-診断的活用から治療的活用へ-』(2005,博士学位請求論文,立正大学)としてまとめられた。しかし本論文で考察する事例は,1995年以前に筆者が学生相談室で出会った事例である。本事例を通じて筆者は,本テストの特色の1つであるテスト結果とクライエントの臨床像の優れた一致性,テスト結果が示唆してくれるクライエントの近未来の状態像など,本テストが事例の展開について一種のスーパーバイザーの役目を果たすことを臨床的に経験することになった。他方,筆者は永年学生相談を臨床の現場として活動してきた。学生相談はクライエントとの関係性を第一として行われるものだが,クライエントを取り巻く他の人々のサポートやヘルプがあれば問題はより速く,学生の心の傷はより浅く済むかもしれない。本事例は筆者に心理臨床におけるソンデイ・テストの活用性と,学生を取り巻く各関係部署の人々のリエゾンの意味について知見を与えてくれたものと言える。少年少女の三人に加えて、精神病院の女の患者であるカリストーの参列に恵まれ、お葬式は少年なりに厳粛に行われている。しかし、院長が姿を現し、この土地は公共の土地だ、とアンティゴネたちの行っているお葬式に反対をする。物語りの最後に、アンティゴネとナレーターの父親(院長)との間に生まれる同情、ナレーターの父親の寛大な態度は印象に残る瞬間である。
- 2006-03-15