社会福祉政策と住宅政策のはざまにおける軽費老人ホームの課題 : 全国養老事業協会がめざしたもの(研究課題:軽費老人ホームの現状と課題,I 共同研究)
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概要
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本稿は,軽費老人ホームの制度化過程に着目し,全国養老事業協会がどのような軽費老人ホームを求めたのか,また,実現された軽費老人ホーム制度との相違を明らかにする。2003年に高齢者介護研究会が報告書を提出した。その中では,高齢者の住まいについて言及している。高齢者の住まいの問題は,必ずしも住居の提供によって解決するものではなく,同時に彼らの生活上の困難や不安に対応することも求められる。しかし,軽費老人ホームは,低所得高齢者に対する住居提供に重点がおかれ,高齢者の生活上の困難や不安に対応する施設としては不十分な基準が設定された経緯がある。それは,現在の軽費老人ホームの抱える問題に通じるものであり,社会福祉政策と住宅政策の関係を問う課題といえよう。
- 龍谷大学の論文
- 2006-05-31