脳損傷による摂食・嚥下障害と構音障害への補綴的アプローチ
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概要
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脳損傷により嚥下と構音に重度な障害をもつ症例に対し、舌接触補助床(palatal augmentation prosthesis: PAP)を作製して訓練を行い効果を(1)嚥下回数と完了時間(2)口腔内残留の視診(3)嚥下圧(4)単音節明瞭度検査(5)舌圧測定で調べた。その結果、嚥下と構音に大きな改善を示した。この補綴装置の作製にあたっては、歯科と言語聴覚士の協力のもとに、嚥下と構音が両立して改善するように作製過程に工夫をした。本症例のように機能的な原因による運動障害性嚥下障害患者へのPAPの適応についての報告はあまり見られない。嚥下機能改善の要因として、適切な摂食訓練などの他に、PAPを装着して直接および間接訓練を行うことによって舌圧の改善を図ったことが考えられる。
- 2006-03-31