慢性脊髄圧迫における神経成長因子の役割 : 運動神経細胞との関係について
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概要
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慢性脊髄圧迫によるミ***パチーにおいて,運動神経細胞における内因性神経成長因子の変化およびその役割について,未だ不明な点が多い.本研究では,ラットの慢性脊髄圧迫モデルにおける運動神経細胞のbrain-derived neurotrophic factor (BDNF)とnerve growth factor (NGF)の変化を調べ,その役割について考察した.慢性脊髄圧迫モデルは,ラットの頚椎の椎弓下(第5・6頚椎)に徐々に拡張するポリマーシートを挿入し作成した.そして,圧迫部分の運動神経細胞におけるBDNFとNGFの発現について調べた.圧迫開始25週後,運動神経細胞におけるBDNF陽性細胞数の増加および細胞一つあたりのβNGFの減少が観察された.これらの結果より慢性脊髄圧迫におけるBDNFの増加は運動神経細胞の生存能力を刺激することによる運動麻痺を改善し,NGFの減少は運動神経細胞のアポトーシスに寄与する可能性が示唆された.
- 獨協医科大学の論文
- 2006-03-25