進行結腸癌におけるc-MET発現とbuddingの関係について

概要

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進行結腸癌におけるc-MET発現と癌浸潤先進部buddingとの関連について検討した.また,c-MET発現とbuddingの治癒切除後の予後因子としての有用性について比較検討した.【対象・方法】治癒切除された進行結腸癌88症例を対象に,HE染色とc-MET免疫組織化学染色を施行した.【成績】c-MET発現はbudding,リンパ節転移,術後再発を認めた症例で有意に多く認められた(p<0.0001, p=0.0013, p=0.0019).予後に関しては累積生存曲線,5年生存率においてc-MET発現とbuddingのそれぞれで,その有無による有意差を認めた(p=0.0028, p=0.0136).さらに,c-MET発現およびbuddingを含めた臨床病理学的所見を予後因子の候補として術後生存期間に関する多変量解析を行うとc-MET発現のみが独立した有意な予後因子であった.【結論】本検討より進行結腸癌におけるbudding形成にHGF/c-MET signalの関与が示唆された.また,治癒切除後の進行結腸癌症例においてc-MET発現は有用な予後因子であった.
獨協医科大学の論文
2005-10-25