我が国の中国における植林協力の展開と小渕基金の位置づけについて(<特集>中国乾燥地における緑化技術とその将来(II))
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概要
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世界の森林・林業を取り巻く状況は,依然,厳しいものがある。森林の劣化・減少は様々な問題を引き起こし,また,こうした問題が,更に,森林の減少・劣化に繋がる悪循環を生んでいる。我が国は世界で森林分野の課題に対する様々な国際協力を展開してきており,中国に対する協力に関しては1998年の日中首脳会談以降,積極的に取り組んでいるところである。協力に際しては様々な手法が試みられており,政府関係機関の事業においては,我が国で長年培われてきた優れた技術のみならず,現地で研究・開発され,育まれた技術が駆使され,さらに他のプロジェクトへ応用されている例もあり,一方,非政府組織の協力として小渕基金による草の根レベルの活動も大きな広がりを見せている。中国が環境問題への取り組みを引き続き行うこと,また,木材需要の急激な増加に適切に対処することを支援するためにも,今後も,こうした様々なスキームを用いて同国の緑化事業に対して協力を行うことが重量であると考える。
- 日本緑化工学会の論文
- 2006-11-30