1047 木製型枠によるコンクリート表面の硬化不良現象における紫外線の影響について(材料・施工)
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概要
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打放しコンクリートにおける事故として、時として現場で問題になるコンクリート表面の硬化不良現象は木製型枠のアルカリ抽出物に起因し、これには型枠の紫外線照射も関係していることについては既に述べたが、これを裏付ける実験の詳細を以下に報告する。ここに報告する実験の目的は次の4項目である。(i)紫外線とは関係なく硬化不良の原因になる樹種の調査。(ii)紫外線の照射時間と硬化不良の量的関係。(iii)紫外線の影響の樹種による相違。(iv)屋外暴露とウエザーメーターの硬化不良に及ぼす効果の比較。以上の目的のため、次の3種類の実験を行った。(1)国内産広葉樹13、同針葉樹15、南洋材6、北米材5、中南米材2、北洋材1、計42種類の供試片を型枠に使用し、セメントペーストをこれに充填し、硬化後脱型して型枠との接触面の硬化不良の有無を調べ硬化不良をおこしている場合にはその層の厚さを測定する。(2)別に、上記24種類の供試片夫々をウエザーメーター中で1時間、2時間、5時間、10時間、20時間、40時間紫外線を照射し(その際積算照度計で各々の紫外線エネルギーを測定しておく)、その型枠について(1)と同様の試験を行う。(3)(2)と同様の供試片を屋外に暴露し、(2)のウエザーメーター試験における各照射紫外線エネルギー値に相当する太陽光の照射を行い(上記の積算照度計を使用)、その型枠について(1)と同様の試験を行う。紫外線照射を受けた木材表面の化学変化を成分分析によつて精査することは、木材化学に関する極めて専門的な知識及び技術を要する。従つて、この実験はあく迄建築施工者としての立場から、事実を現象的に把握しようとする意図によるものである。
- 1961-10-10
著者
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