2047 H.P.シエルについての研究(1) : Shallow H.P.シエルの曲げ理論(構造)
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概要
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H.P.シェルの膜理論の応力に関する研究はすでにたくきん発表きれているが、曲げ状態の数式的に表示きれた解とその性格についてはまだみあたらない。ここに、H.P.シェルにshallowであるという制限を設け、この制約きれた条件のもとではあるが、曲げ解を求めその性格を明らかにする。筆者等の近似曲げ理論をshallow H.P.シェルに適用すると、法線方向変位成分ωと応力函数φとの一次結合からなるψについての微分方程式は、円筒殻の場合と同じく常数係数の偏微分方程式となる。ラプラスの方程式∂^2A/∂x^2+∂^2A/∂y^2=0,が、A=f(z), z=x+iyなる解をもつための条件として、i^2+1=0でiが定義されるが、筆者はこの考えを円筒殻におしすすめて、iのかわりにjを導入し、ψ=e^<2(x/a+jθ)>とおき、λとjとの相互の関係を求めて、すでに知られている解を統一的に表示し、未知の型の解の存在の可能性をのべたことがある。ここでは中性面を直交座標系で、z=xy/cで示し、いまのべた手法で二・三の場合の曲げ解を求める。(第1図)得た結果の大要をのべる。シェルの付加応力の乱れは周辺の幾何学的状況によつてことなることは円殻筒において軸方向と円弧方向との乱れの状態が異なることからもよく知られている。ここでは、曲率線方向に周辺をもつた場合と、x=const., y=const.で周辺が存在する場合をあつかう。H.P.曲面の曲率線は、a_1, a_2をパラメータとして次のようになる。[numerical formula] shallowの場合、a_1=x-y, a_2=x+yで示すことができる。周辺が曲率線である場合の付加応力の問題は曲率半径がcである縦型円筒殻の付加応力の問題と同じものとなる。x,yが一定である境界でx又はy方向に減衰する応力の乱れに対してはFourier展開による解を求める。それぞれの辺でFourier展開の各項に対して4個の独立な解がもとまるが、そのうち2個は共軛複素数のexp.であらわされるいわゆる曲げ的なものであり、他の2個は実数のexp.であらわきれる。Fourierの波の数がすくない場合、そのうち1個は極めて小さい値であり、他はかなり大きい。小さい値に対する解は、第2図のように、周辺に剪断力を働かした場合の状態を示すもので、周辺の剪断力は殆どおとろえず他の辺に伝わる。この状態はscheibe的(membrane的)であるにもかかわらず膜理論から求めることはできなかつた。何故なら、H.P.シェルは捩れているから曲げを伴わずに相対する周辺の剪断力のみで釣合うことは不可能であるから。比較的大きい実のexp.であらわされる解は周辺リブ及びH.P.シェルの有効巾に関係がある。上にのべた解の性格をしらべるために、実部、虚部の値をしる必要がある。そのために4次代数方程式の根をべき級数に展開して求める。H.P.シェルの応力解析を行うためには、さきにのべた曲げ解のほかに膜状態の応力、変形が必要となる。変形に関しては研究があまりすすんでいないので、筆者の結果をのべる。[figure][figure]
- 1960-10-10
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