18 東京都内における公営住宅,公庫賃貸住宅,公団賃貸住宅入居者の家計の傾向について
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概要
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以下の分析結果は調査対象が東京都内の公的賃貸住宅(公営住宅,東京都住宅協会の賃貸住宅,公団賃貸住宅)に限られたことによって大きく制約される。何故ならばこれら公的賃貸住宅は入居の際入居資格に種々の制限を加えており,例えば収入についても上限(公営住宅)又は下限(公営二種を除く凡て)が定められているからである。尤も収入の下限は,一般の賃貸住宅についても自然に設定されているものと考えてよかろう。その他調査対象は便宜的に100戸以上の団地に限られた。32年現在,東京都内の公的賃貸住宅は約68,000戸あり,そのうち100戸以上の団地をなすものの戸数は20,205戸(99団地)ある。公的賃貸住宅の一つの特徴は,建設年次と住宅種別による家賃の格差が激しいことで,いづれも建設資金の資金構成と家賃の算出方法に帰因する。住宅の種別では公営住宅が最も低く,協会住宅,公団住宅の順で高い。公営住宅は建設年次が11年間に及び,家賃は最底73円より3,670円に,協会住宅は3,250円〜4,600円,公団住宅は4,770円〜11,850円に及ぶ。調査方法は100戸以上の99団地を,1,000円きざみの7つの家賃階層に大別(0〜1,000円を第Iとし以下順に6,000円〜を第VII層とした)し,そのうちより地域,団地の大きさを顧慮して45団地を抽出し,更に任意抽出により1,320戸を抽出,33年10月1ケ月の家計簿を回収した。回収は851例,層別標本の大きさは比例割ふり法によった。なお職業分類,品目分類は総理府統計局家計調査品目分類(33年改訂)による。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1960-03-25
著者
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