11 一層建築物に於ける桁材及び床版変形の横力分布に及ぼす影響 : 桁行方向ラーメン及び床版厚の増加による床版変形の拘束

概要

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既論に於いて、鋼構造の如き一層建築物に横力が桁行方向に作用するとき、桁行方向の桁材変形のため、桁行方向に配置されている柱及び筋違間に如何に横力が分布するかについて理論的解析をした。これと同様な事柄が鋼筋コンクリート構造物についても考えられる。即ち有壁無壁のラーメンより構成されている建物で、その耐震壁間の距離が大きくなると、地震時床版は水平方向に大きく曲げ及び剪断変形をなす結果、壁体間の中央部にあるラーメンの変形が増大しその負担剪力がこれに比例して増加する。それ故、この様な場合には従来広く用いられている剛床仮定による横力分布法では不十分である事が知られている。この問題を取扱った今迄の理論的研究は、床版変形を取扱うに当り次の何れかの仮定を用いている。1.桁行方向骨組の抵抗を無視する。(第1図)2.曲げ変形に対して、各梁行方向ラーメン間の単一床版の端部条件をそれぞれ固定とする。(第1図)そこで、本文では、床版変形を取扱うに当り、床版の水平方向の曲げ及び剪断変形を考慮することは勿論桁行方向に配置されたるラーメン(柱及び梁)の抵抗をも考慮して、一層建築物に於ける床版変形の横力分布に及ぼす影響を理論的に研究すると共に、桁行方向のラーメンの抵抗が床版変形を如何に拘束するかを数的に明白にするため、桁行方向のラーメンの抵抗を無視せる場合とも比較検討した。また、床版厚の増加による床版剛性の増加が床版変形を如何程拘束するかに就いても具体例から検討した。
1958-07-25

著者

山田孝一郎
福井大学

11 一層建築物に於ける桁材及び床版変形の横力分布に及ぼす影響 : 桁行方向ラーメン及び床版厚の増加による床版変形の拘束

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