わが国の地方財政制度改革に関する一考察 : 地方分権達成の理論的条件
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
わが国では,中央政府は地方自治体に対して毎年GDP比率で5%程度の財政調整を行っている。厳しい財政状況にある今なお,多くの地方自治体はさまざまな活動を通じて中央政府から資金を獲得することに注力している。ある意味では,地方自治体はわが国における強力な利益団体の一つになっているとも考えられる。一方わが国の財政赤字をみると,地方自治体に関連する赤字額は先進諸国と比較して大きいものとなっている。中央政府の財政赤字として計上されているものでも,地方交付税や補助金として地方自治体の財政赤字の肩代わりをしているものもある。1990年代にわが国の財政赤字が急増しているが,それは景気対策の名目で地方自治体が公共事業を急拡大させたことに起因しており,その財源の多くは中央政府から配分されている。こうした状況に鑑みれば,中央政府と地方自治体との財政調整のあり方を改革することは,わが国の財政再建にとって重要な意味をもつと言える。本稿では,このような地方自治体の行動を前提として,財政再建を可能とする財政調整制度のあり方を検討した。
- 千葉商科大学の論文
- 2005-09-30
著者
関連論文
- 集積が進む東北の自動車関連産業
- 地方税制度と地方分権に関する研究
- わが国の財政支出決定プロセスに関する研究 : 予算編成における官僚行動を中心として
- わが国の地方財政制度改革に関する一考察 : 地方分権達成の理論的条件