方法としての計量歴史社会学 : 階層・移動研究を中心として(<特集>歴史社会学)
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概要
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本稿は,歴史社会学における計量的手法の可能性について考察することを目的としている.計量歴史社会学という名称はあまり一般的なものではないが,研究史を概観すればわかるように,1970年代までの歴史社会学的な研究においては,計量的な手法が多くもちいられていた.この時期の歴史的研究は広い意味で階層・移動研究に分類されるが,その後の研究の展開のなかで,階層・移動研究と歴史的研究とは乖離していく.90年代になり,社会調査データをもちいた計量的手法による歴史研究の試みがなされるようになった.けれども,その方法は現在も模索段階にあるといえる.一方で,近年,既存の社会調査データへのアクセスが容易になりつつあり,これによって計量的な歴史研究に大きな可能性が開かれた.ただし,その可能性を現実のものにするためには,いくつかの重要な課題を乗り越える必要がある.
- 東京大学の論文
- 2006-03-28