Jaguar過給器翼の破斷原因
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概要
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Jaguar過給器翼の破斷原因を追求したもので,先づ翼の引張り試驗を行ひ,次いで遠心力に依る内力分布を計算した結果,翼は遠心力だけでは破斷するものでないと云ふ考へに到達した。それで翼が遠心力を受けて回轉して居る場合の,圓周方向の固有屈曲振動數を計算して見たところ,翼車の回轉數の略々2倍になつて居るので,結局,共振現象に依り翼が弱まり,最後は遠心力で切斷したのであらうと云ふ結論に到達した。この場合,共振を起す因子となる外力としては,翼車の不釣合ひが翼車の1回轉毎に翼に外力を與へる事と,切斷した時には,過給器の吐出口が1個で,これも翼車の1回轉毎に翼に外力を與へると云ふ2つの原因が考へられる。過給器翼の設計に際しては,翼の圓周方向の固有屈曲振動數が翼車の回轉數に等しい事は勿論良くないが,2倍になる事も避けなければならない事が上の結果から云へる。
- 宇宙航空研究開発機構の論文