いわゆる「公社問題」とその打開方向について : 鹿児島県森林整備公社の試みを事例として
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概要
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本論文の研究の目的は、林業公社の経営問題、いわゆる「公社問題」を、現在及び将来の役割を明確化しながら打開方向を探ることにある。その方法は、鹿児島県森林整備公社の自助努力の取り組みによる成果をあげている点に注目することである。特に利用間伐の取り組みにより中間収入を確実に確保してきている。また、全国的な「公社問題」対策は、貸付金の無利子化や公益的機能の受益者負担を求めるような外部からの支援に期待するものであり、利用間伐による自助努力の研究報告はほとんど見当たらないので、今回研究のテーマとして取り上げた。鹿児島家森林整備公社が実際に行った利用間伐方法は利用間伐の伐採から採材、集積、運搬、さらには間伐材の販売に至るまで管理・把握するという公社実施方式を独自に採用したことである。さらに、販売についても独自の販路開拓を行い成功を収めている。そのことで、徹底した低コスト化、高収益化が可能となった。このように中間収入確保を徹底的に追求した自助努力は最終的な主伐時に向けた確実な土台作りとなっている。また、それは全国の林業公社の模範であると同時に鹿児島県内の林業界でも先駆的存在として多大な影響を与えている。このような取り組みは林業公社への期待に応える自助努力というにふさわしいものであり、鹿児島県森林整備公社の利用間伐推進が林業公社の新たな役割と「公社問題」の打開方向を指し示しているといえる。
- 2005-03-01
著者
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