野菜中の炭水化物に関する研究(第1報) : 莢隠元の構成炭水化物の種類
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概要
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莢隠元の莢の炭水化物を各種溶剤で分別し,各フラクションにあらわれる遊離糖類,構成糖類をペーパークロマトグラフィーによって検索した結果は次のようである。1.遊離糖類として,fructose,glucose,sucrose,maltose,galactose,inositolと未確認の糖アルコールと思われるスポット1つが検出された。2.熱50%メタノール抽出区分よりは,低分子ペクチンと澱粉,核酸に由来すると思われるribose,フラボノイド配糖体に由来すると思われるrhamnoseが検出された。冷水可溶性抽出区分よりは,水溶性ペクチンと,ribose,rhamnose,熱水可溶性抽出区分よりは,熱水可溶性ペクチンと澱粉の他,rhamnose,xylose,riboseが検出された。0.5%蓚酸アンモニュウム抽出区分は,プロトペクチンが抽出される区分であるが,arabinoseは検出されず,澱粉に由来すると思われるglucoseと,フラボノイド配糖体に由来すると思われる微量のrhamnoseが検出された。3.冷,熱5%カセイソーダ抽出区分よりは,共通して,glucose,xylose,galactoseが検出されたことから,前二者又は三者よりなるヘミセルロースの存在が考えられた。4.β-セルロースは収量がわずかであったので,その存在は疑わしいが,γ-セルロースと同様に,glucose,mannose,xylose,galactoseが検出された。5.熱5%,冷70%硫酸抽出区分よりは,glucoseを主成分とするα-セルロースが抽出されたが,前者にはxylose,後者にはgalactoseが微量含まれていた。6.最終残渣であるリグニンは,微量で,0.05%であった。
- 東京家政学院大学の論文
- 1975-09-30
著者
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