中国の高齢者福祉の変遷についての一考察 : 都市部の高齢者介護を中心に
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概要
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家族扶養は中華人民共和国の高齢者福祉の法的な基礎として,その発展段階から見れば,安定な家族扶養と動揺した家族扶養さらに崩壊している家族扶養の三段階と分類できる。2000年以来の地域依託による居宅介護の政策は,法的な家族扶養の本質を維持し続けたが,社会的扶養へ転換していく最初の一歩を歩きだしたと言える。前世紀80年代から2000年以後の現在まで「計画経済時代の家族扶養」,「市場経済時代の家族扶養」と「福祉の社会化時代の居宅介護」の3つの段階に分けて,都市部の高齢者介護を考察する。福祉資源の視点から見る中国の高齢者介護の変遷を探求することによって,中国の高齢者福祉の展開と変遷の歩み(1982年〜2004年)を歴史的に表す。「単位福祉」から社区福祉へ転換してきた過程で,高齢者福祉資源は,居宅介護と介護困難の需給関係の焦点となり,その概念への明晰が今後地域で展開される居宅介護システムの構築につながった課題となる。
- 2006-03-01