「おかざき自然体験の森」地区にみる土地利用の変遷
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概要
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本論では、岡崎市北西部の「おかざき自然体験の森」地区の今後の整備に向けた指針を提供することを目的とし、戦後の航空写真をもとに土地利用の変遷について調査を行った。土地利用のステージは一九六〇年代を境に、その放棄以前と以後とに分けることができる。まず放棄以前はその高い利用強度を反映し(1)アカマツ林の優占、(2)崩壊斜面を含む裸地面の存在、(3)谷底面のほぼ全域にわたる水田利用が確認できた。さらに水田については一九四八年当時、食糧難などを背景にその利用が最大限に行われていたとみられる。一方放棄後は(1)アカマツ林や落葉樹林の照葉樹林化、(2)放棄水田の荒地化、(3)竹林の拡大がみられ、とくに(3)は全国的な傾向に違わず近年になり急激な速度で進行していることが確認できた。今後の整備については、竹林の拡大の抑止が急務であり、また"どこにでもある"里山としての景観と生物相の保全に向けた、適切なゾーニングによる管理が求められる。
- 人間環境大学の論文
- 2006-03-31
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