知的障害のある子どもにおける象徴機能の発達 : 非伝達的指さし出現前後における言語獲得関連行動の発達状況
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概要
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知的障害のある子どもの非伝達的指さしについて本研究では検討した。対象とした事例では,非伝達的指さしから伝達的指さしの出現までに時間を要する子どもがおり,非伝達的指さし出現前には物のやりとりがまだ成立していない事例があるなど,伝達的指さしと非伝達的指さしとの間には質的な差があることが示唆された。また,非伝達的指さしが出現する時期に象徴遊びにおいては,ふりが出現しており,これらの事例では伝達的指さしはみられていなかった。非伝達的指さしは,象徴機能の発達の現れであり,個人内レベルでの記号化が個人間レベルへと進展する事例があることが示唆された。
- 2006-03-31