古代語における動詞連体形節内の格付与について
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概要
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万葉集、平安初期の訓点資料の調査から、上代語には2つの重要な特徴がある。1)他動詞の主語と非能格動詞の主語は「ガ」によって標示されるが、非対格動詞の主語は「ガ」で標示されない。さらに「ガ」で標示された要素は外項主語位置から移動できない。2)「ヲ」は他動詞の目的語と非対格動詞の主語を標示することができ、さらに標示された要素は常に動詞句の外へ強制移動する。この語順の制約は古代語が「統語的能格言語」に属することを強く示唆する。本研究では連体形動詞をとる主文と従属節に焦点をあてそれぞれの節内の格付与について考察する。
- 2006-03-31