在香港フィリピン人家事労働者の余暇活動についての一考察 : アイデンティティとの関係を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
香港におけるフィリピン人家事労働者の歴史は1970年後半にまで遡ることができる。1980年代以降,フィリピン経済の悪化により,フィリピン国内における就業率は減少し,フィリピンは国を挙げて,国民を海外へ送り出すことによって,外貨を稼ぐことを余儀なくされた。香港における家事労働の賃金は,他の国家や地域と比較すると高額であるため,香港を「出稼ぎの地」として選択するフィリピン女性は非常に多い。現在,約14万2千5百人のフィリピン人が香港で家事労働に従事している。香港の労働法令では,海外家事労働者は日曜および祝日には休暇をとる権利があると定められており,フィリピン人家事労働者は,これらの休暇をできる限り利用し,娯楽活動,宗教活動といった様々な活動に参加している。本研究は,こういった余暇時の活動を通して,家事労働に従事するフィリピン女性の故郷とのネットワークの築き方について理解をふかめ,そこから見えてくるフィリピン人女性の国家,地域,民族アイデンティティについて考察したものである。
- 2006-03-18
著者
関連論文
- 在香港フィリピン人家事労働者の余暇活動についての一考察 : アイデンティティとの関係を中心に
- シンガポールにおける寿司の受容 : 寿司のグローバライゼーションとローカライゼーションをめぐって
- シンガポール華人の埋葬・葬送儀礼・祖先崇拝についての社会学的考察
- 香港における会館系学校による愛国教育とその役割 : 福建中学と蘇浙公学を例として
- 東南アジア華人移民の歴史およびマレーシアとインドネシアにおける華人移民の適応パターン(人間科学編)