情報システムの創造過程におけるコンセプトとテクノロジーの相互作用に関する実証的研究
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概要
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この研究のねらいは,情報システムの創造過程におけるコンセプトとテクノロジーとの相互作用について検証し,それを前提として,両者の関係の適切なあり方を認識し,情報システム構築の適正化を図ろうとするものである。この研究を効果的に実現するために,調査対象として,地方公共団体の基幹システムの一つである住民記録システムを選択した。この情報システムは,わが国にコンピュータが導入された初期から適用されており,今日においても,なお継続的に多様な発展をしているものである。しかも,この間,適用されたコンセプトとテクノロジーは,多様に相互作用を与えつつ変貌している。その特色は,住民サービスと事務の効率化の情報システムの開発から,ボーダーレスサービスへの対応にと向かっている。これによれば,1980年以前はコンセプトが主因であったが,1990年代ではテクノロジーが主因となり,サービスのあり方がテクノロジーの可能性をふまえて,創造される傾向にある。このようなシーズの先行は,ニーズの把握が追随する弊害を含んでいるために,プロトタイピイングの開発手法の重要性が,一層高まっている状況といえよう。
- 東京経営短期大学の論文
- 1996-03-30