コイル塞栓術を第一選択とした急性期破裂脳動脈瘤の治療成績とその限界(<特集>脳動脈瘤の治療)
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概要
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急性期破裂嚢状動脈瘤の96%をコイル塞栓術で治療した5年間117例の当施設の成績において,コイル塞栓術の有用性と限界について検討した.対象として,70歳以上の高齢者(41%),動脈瘤部位では,ACA (+Acom)動脈瘤(39%)とMCA動脈瘤(25%)が多く含まれた.治療合併症,SVSおよびNPHの発症,over allの退院時転帰は,RESAT2002や他施設の成績と遜色ない結果であった.特に入院期間の短縮において,コイル塞栓術の低侵襲性のメリットが示された.動脈瘤の部位別では,ICA,V-B動脈瘤に加え,ACA動脈瘤に対する有用性が明らかになった.除去を要する血腫合併例に対するコイル塞栓術後の開頭血腫除去術は,MCA動脈瘤においてコイル塞栓中に血腫の増大を示すものが存在し改善の余地を残した.15例(12.8%)に対して再塞栓を行ったが,術後の定期的画像followは必須で,特にNR以上の残存を有する動脈瘤,血腫合併例において,慎重な画像followと再開通を認めた場合の再塞栓が再出血予防の重要なポイントである.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2006-12-20
著者
-
阿部 博史
立川綜合病院脳神経外科
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本山 浩
立川綜合病院循環器脳血管センター脳神経外科
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阿部 博史
立川綜合病院循環器・脳血管センター脳神経外科
-
土屋 尚人
立川綜合病院循環器・脳血管センター脳神経外科
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本山 浩
立川綜合病院循環器・脳血管センター脳神経外科
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