呼吸器アレルギー疾患においてIL-4, IL-13, IL-4レセプターに遺伝子多型は認められない : 韓国における社会福祉施設従業員の研究から
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概要
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公共施設内の室内空気は,その施設の従業員や入所者の健康を害する種々の汚染物質を含んでいる.我々は福祉施設の従業員の呼吸器アレルギーに関連する免疫状態を調べ,従業員の呼吸器アレルギー疾患の発症におよぼす遺伝的素因の役割について解析した.5施設の従業員23名を調べ,48%の人が吸入アレルゲンに陽性であった.家塵ダニが陽性の皮膚反応を示す主要アレルゲンであった.アレルギー性過敏反応の免疫学的マーカーである血清IgEレベルはアレルギー陽性の従業員で亢進していた.末梢血中の好酸球の割合も陰性の皮膚反応を示す従業員に比べて,アレルギー陽性の従業員は高くなっていた.我々はさらに小児の喘息発症で示唆されているIL-4レセプターα-鎖(Glu576Arg,Ile50Val),IL-4 (C589T)とIL-13 (Arg130Gln)の遺伝子多型について調べた.しかし,吸入アレルゲンに陽性の皮膚反応を示した従業員で,これらの遺伝子多型の頻度に差は見られなかった.この研究は社会福祉施設の従業員は吸入アレルゲンの曝露に関連した呼吸器アレルギーに罹患する可能性が高いが,大人の場合,IL-4レセプターα鎖,IL-4,IL-13の遺伝子多型は呼吸器アレルギー疾患の発症に重要でないかもしれないということを示している.
- 2006-12-01
著者
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キム サン
ウルチ大学 医学部 内科学講座
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キム ヒョン
韓国カトリック大学 医学部 予防医学講座
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ホ ヨン
テグカトリック大学 自然科学部 産業医学講座
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イ スン
テグカトリック大学 自然科学部 産業医学講座