ロシア極東沿海州のカンブリア紀ハンカオフィオライトの地質と岩石 : 特にマンガンに富むクロムスピネルについて(<特集>日本海拡大前の東アジアの地体構造-その2-)
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概要
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中朝地塊北東端のハンカ湖南東方には,蛇紋岩,滑石マグネサイト岩,単斜輝石岩,斑れい岩,輝緑岩,そして玄武岩などのオフィオライト岩類が,カンブリア紀前期の石灰岩中に西北西方向に定置され,カンブリア紀中期の礫岩によって不整合に覆われている.この礫岩から分離した重鉱物はクロムスピネル粒子に富み,それは下位のオフィオライト超苦鉄質岩中のものに化学組成が類似する.礫岩と超苦鉄質岩中の新鮮なクロムスピネル粒子のほとんどはクロム含有量が中程度(Cr#=0.4-0.7)でマグネシウムに富み(Mg#=0.5-0.6),TiとFe^<3+>に乏しく,共に原岩がハルツバージャイトだったことを示す.しかし,一部のスピネル及びそのフェリットタロマイトの縁や脈は異常にマンガンに富み(〜MnO=19wt.%),礫岩堆積以前の交代作用を示す.玄武岩類は海嶺玄武岩に類似した化学組成を示す.これらのデータは,ハンカオフィオライトが,シホテアリンの環太平洋型付加体の発達に先立って,カンブリア紀の大陸縁リフト帯で形成されたことを示唆する.
- 2001-09-25
著者
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石渡 明
Department Of Earth Sciences Faculty Of Science Kanazawa University
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シェカ セルゲイ
Far East Geological Institute
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ヴルジョセク アレクサンダー
Far East Geological Institute
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