南部北上帯における前期白亜紀左横すべり変位・変形の復元 : 母体-長坂地域の例(<特集>日本海拡大前の東アジアの地体構造)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
東北日本,南部北上帯の母体-長坂地域は,見かけの下位より高圧型の母体変成岩類,500-440Maの先デボン紀基盤火成岩類および基盤火成岩類を覆う中古生界より構成される.変形帯の詳細なマッピングと断層岩の顕微鏡観察をもとに,以下の構造発達史を議論した.1)母体変成岩類最上部に沿った左横すべり(または上盤南方変位)境界剪断帯の形成と変成岩類の上昇,2)白亜紀前期の,兵士沢・猿沢剪断帯沿いでの左横すべり剪断の開始,3)上記剪断帯沿いでの引きずりによる,s型非対称小褶曲と複褶曲の形成,4)上記小向斜および複向斜西翼でのスレート帯の形成,5)北上山地120-105Ma花崗岩類の冷却という発達史である.上記の議論に基づく前期白亜紀左横すべり変位・変形の復元モデルによると調査地域は,前期白亜紀左横すべりを通じて,南北に65%短縮し東西に150%伸長したとみられる.
- 2001-03-22
著者
-
佐々木 みぎわ
Department of Earth Sciences, Faculty of Science, Toyama University
-
佐々木 みぎわ
Department Of Earth Sciences Faculty Of Science Toyama University