アジア大陸東縁に分布するマイクロコンテネントの起源とその漂移過程(<特集>日本海拡大前の東アジアの地体構造)
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概要
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東アジアに分布するいくつかの小大陸片,南部北上-黒瀬川古陸,ハンカ(Khanka)古陸およびソンネン(松嫩;Songnen)古陸の起源と古生代-中生代におけるその漂移過程およびそれらの古地理的関係について,古生物地理データと比較構造発達史にもとづき検討した.南部北上-黒瀬川古陸は,南中国地塊やオーストラリア地塊に近接した,ゴンドワナ大陸北縁の沈み込み帯で前期古生代に誕生した.南部北上-黒瀬川古陸は,デボン紀後期に南中国地塊とともにオーストラリア地塊から分離し,その後ジュラ紀まで南中国地塊に近接した位置にあった.ハンカ古陸とソンネン古陸は,先カンブリア基盤をもち,石炭紀末までシベリア地塊に近接していた.それらはペルム紀初頭にシベリア地塊から離れて南にむかって漂移をはじめ,ペルム紀末に北中国地塊に衝突した.南部北上-黒瀬川古陸とハンカ古陸は中期ペルム紀〜中生代に同一の古生物地理区に属していたが,このことは東アジアにおける大陸配置の転換と古海洋循環系の変化に起因すると考えられ,両者の密接な古地理的関係を意味しない.南部北上-黒瀬川古陸とハンカ古陸はジュラ紀までは異なった地理的位置,すなわち前者は南中国地塊の近辺に,後者は北中国地塊の北緑にあった.
- 地学団体研究会の論文
- 2001-03-22