Origin of the Japanese Proboscidea in the Plio-Pleistocene(<Special issue>Recent Progress in Studies on Japanese Proboscidean Fossils)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鮮新-更新世の日本にはシンシュウゾウ,アケボノゾウ,ムカシマンモスゾウ,トウヨウゾウ,ナウマンゾウ,マンモスゾウが順次出現した.これらの長鼻類化石は日本の哺乳動物の起源と変遷を考える上で重要な役割を担っている.その起源と変遷はこれまで多くの研究者によって論じられてきたが,それらは日本の動物相を大陸のある地域の動物相と対比することによって論じられてきた.我々は,このような方法では不十分と考え,日本,中国,台湾におけるほとんどすべての長鼻類化石に関する文献を収集した.そして,鮮新-更新世における長鼻類化石の分布図をつくるために中国333個所,台湾26個所,日本285個所のデータベースを作成した.現地における調査もこれらの国でおこない,補足的な情報や記載の間違いを訂正することができた.さらに中国の鮮新-更新世の長鼻類化石の変遷を,日本の長鼻類化石の分帯と比較した.その結果,中国北部において日本のマンモスゾウ,ナウマンゾウ,トウヨウゾウの分帯と一致した.分布図と分帯の比較結果は,ナウマンゾウとトウヨウゾウは中国に起源があることを示した.マンモスゾウに関しては,アジア大陸の北部から移住してきた.アケボノゾウとムカシマンモスゾウは,中国にその祖先種がおり島弧で固有化したとするのが妥当と考えられる.
- 2000-07-25
著者
-
Takahashi Keiichi
Catchment Area Research Section, Lake Biwa Museum
-
Namatsu Keiko
Catchment Area Research Section, Lake Biwa Museum
-
Namatsu Keiko
Catchment Area Research Section Lake Biwa Museum
-
Takahashi K
Catchment Area Research Section Lake Biwa Museum