美濃帯南条山地中生界を覆う後期漸新世礫岩層中の正珪岩礫の特徴とチャート礫より得られた放散虫化石
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概要
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福井県南条山地北西端において,美濃帯南条山地の中生層を不整合に覆う後期漸新世の礫岩層を見い出し,「矢良巣岳礫岩層」と命名した.この礫岩層は,チャート円〜亜円礫が約80%を占め,正珪岩礫を2〜3%含む.正珪岩礫は円磨度が非常に高く,再食礫の可能性が高い.また,赤色チャート(珪質頁岩)礫からはトリアス紀中世を示す放散虫化石が多数得られた.これらの放散虫化石は美濃帯およびその北東延長地域で得られている化石と類似する.日本海拡大初期には,本格的な開裂に先立って形成された地溝に沿って,矢良巣岳礫岩を運搬供給した大河川が流れていたとして古地理を提案する.おそらく矢良巣岳礫岩層は,大陸性大河川の存在を示す最後の礫岩層レリックの一つであろう.
- 地学団体研究会の論文
- 1997-05-25
著者
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