朝日山地南西部の地質 : その2. 地質構造
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概要
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朝日山地南西部は,新第三系を除くと,花崗岩類を主とする多量の「後期中生代」深成岩類(古期深成岩類および新期深成岩類)と,少量の低度変成岩類(竹の沢層)と変火山砕屑岩類〜珪長質変火山-半深成岩類からなる.これらの岩石は,多かれ少なかれ,褶曲構造・片麻状構造・マイロナイト組織・カタクラスチック組織などの変形構造を持つ.低度変成岩類の竹ノ沢層は,変形時階が異なる少なくとも4回の変形運動を受け,3時階の褶曲構造が識別される.再結晶または変形した鉱物粒子は形態定向配列を示し,片理面やキンク面を形成している.古期深成岩類に属する西朝日塩基性〜中性複合岩体は,キュムレイト組織で代表される初生ファブリックを持つ.末沢川溶結凝灰岩の活動以前の古期花崗岩体には,S-C myloniteを作る顕著な片麻状構造やマイロナイト組織が発達し,これらは変形時再結晶作用によって形成されたものであろう.古期岩体の示す形態と内部構造は互いに構造的に調和な関係にあって,それらの走向は一般にNNE-SSW〜N-S性を示す.角楢岩体を除く新期花崗岩体では,片麻状構造やマイロナイト組織が発達するが,それらは一般に各岩体の周縁部に限られる.新期岩体の中でも最終時階に貫入した角楢岩体は,初生的な流理面構造や二次的なカタクラスチック組織を示す.古期花崗岩体と新期花崗岩体の間では,内部構造や岩体の境界は互いに非調和的であって,新期花崗岩体中の片麻状構造の方向は一般にNNE-SSW〜N-S性を示す.さらに,古期花崗岩類には再結晶黒雲母が,新期花崗岩類には黒雲母の変質による緑泥石が特徴的である.野外の観察,岩石記載,構造解析を考慮すると,古期花崗岩類は地下深所の高温・広域的な剪断変形作用の場で,新期花崗岩類はより浅所の低温・局部的な剪断変形作用の場で貫入・定置したものである.
- 1995-05-25
論文 | ランダム
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