岐阜県高山盆地の鮮新世〜中期更新世火山砕屑物 : 層序および記載岩石学的特徴
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概要
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岐阜県高山盆地には鮮新世〜更新世の火砕流堆積物が広く分布している.それらは下位より順に松原礫層,松本礫層,大萱層,丹生川火砕流堆積物,宮前層,滑谷降下火山灰層,茶屋野凝灰岩層I・II,恵比須峠火砕堆積物,桐山礫層,上野泥流堆積物,江名子礫層,上宝火砕流堆積物,山口礫層に分けられる.なお,桐山礫層は恵比須峠火砕堆積物を不整合に覆っている.鮮新-更新世の火山活動は,地質学的・記載岩石学的証拠より検討した.その岩相と記載岩石学的性質は以下の通りである.1)大萱層は主に礫層からなり,火砕流堆積物と7層のガラス質火山灰層と1層の結晶に富む火山灰層をはさむ.それらのうち火砕流堆積物とガラス質火山灰層は,ざくろ石・褐れん石を含む流紋岩質の火砕堆積物である.2)丹生川火砕流堆積物(溢れだし型火砕流)は,単斜輝石-斜方輝石石英安山岩質の溶結凝灰岩である.3)滑谷降下火山灰層は角閃石-黒雲母石英安山岩質のプリニアン式降下軽石である.4)茶屋野凝灰岩層I・II,恵比須峠火砕堆積物(マグマ水蒸気噴火,噴煙柱崩壊型火砕流)は,角閃石-斜方輝石石英安山岩質の火砕堆積物である.茶屋野凝灰岩層I・IIは火山豆石を含むことで特徴づけられる.5)上宝火砕流堆積物は,黒雲母流紋岩質の軽石流堆積物である.
- 1995-03-25
著者
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