乱さない粘土の非排水せん断特性に関する実験的・解析的検討

概要

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著者は,軟弱粘性土地盤の力学的挙動の総合的評価の重要性を指摘し,すでに軟弱粘性土地盤の変形挙動の評価に関連して,簡易地盤変形解析手法の提案し,室内実験(要素試験・モデル実験),さらには複数の実地盤の変形挙動と比較検討することにより,その手法の工学的有用性を定量的な観点から実証している.しかしながら,上記解析手法において粘土分が多く含まれている高塑性な粘土の非排水せん断特性に関する要素試験の観点からの検討は,まだ未解明となっている.本研究では上記のような点に着目し,高塑性でありかつ,いわゆる乱されていない粘土を実地盤より採取し,その試料に対して室内要素試験を行い,さらに上記解析手法に基づいた数値解析を実施した.室内実験に関しては,実地盤の異方応力状態をシミュレートしたKo圧密後に非排水三軸圧縮・伸張試験を行い,その試験結果と著者が提案している解析結果の比較検討を行った.その結果,応力〜ひずみ関係・過剰間隙水圧〜ひずみ関係・有効応力径路の観点から両者の対応関係が極めて良好であることを実証している.
地学団体研究会の論文
1996-05-25