静岡県有度丘陵における中・上部更新統の花粉化石群集と古環境
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概要
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駿河湾西岸の有度丘陵を形成する中部・上部更新統から,花粉化石群集を明らかにし5花粉帯に分帯し記載し,堆積当時の古植生を復元し変遷を考察した.また近畿,関東,および東海地方の花粉生層序と広域火山灰層のデータを加え対比した.下位の上部根古屋層は,下位から冷温帯落葉広葉樹のFagus, Quercus (subgenus: Quercus)に, Picea, Betulaを伴った冷涼なN-I帯,温帯針葉樹や温帯落葉広葉樹のPinus, Ulmus-ZelkovaやFagusに暖温帯〜熱帯要素のLagerstroemiaを伴った温暖なN-II帯,Piceaを主とした冷涼なN-III帯に区分される.草薙層は下位よりPicea, Tsuga, Fagusを主とした冷涼なK-I帯,Tsugaを主とし,Lagerstroemia, Sapiumを伴う温暖なK-II帯に区分される.上部根古屋層のK-II帯は大阪におけるFurutani (1989)のP 9 Zoneに,横浜における西村(1980)のDiploxylon-Fagus-Ulmaceae zone対比される.草薙層はFurutani (1989)のP 3 b subzoneに,西村(1980)のconifer-Ulmus-Zelkova zoneに,大磯丘陵における辻(1980)のKa-II帯に対比される.
- 地学団体研究会の論文
- 1996-01-25
著者
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