新潟県魚沼層群の更新世前期テフラ層序
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概要
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新潟県魚沼地域に分布する鮮新-更新統の魚沼層群には多数のテフラ層が挟在する.本研究では魚沼地域の魚沼層群下部層および中部層に挟在する23のテフラ層と,地層の層序関係が明確な田川ルートから見出された27のテフラ層との対比を行うことで,魚沼地域における更新世前期テフラ層序の確立を試みた.対比は系統的な層相記載,記載岩石学的特徴,火山ガラスの化学組成に基づいて行った.結果,今回新たに田川ルートの"Tmt1"とTzc,"Tmt7"とKaj(新称),"Tmt8"とNss,"Tmt12"とSK090,"Tmt13"とUoc・SK085,"Tmt14"とMgp,"Tmt15"とSK075,"Tmt16"とHop・Akg,"Tmt18"とHkpが対比されることが明らかとなった.またテフラの記載と対比の結果,検討層準には少なくとも31層の更新世前期テフラ層が挟在し,石灰質ナンノ化石層序との関係から,その頻度はおよそ20,000年に1層以上であったと考えられる.今回明らかとなった魚沼層群の更新世前期テフラ層序により,今後,広域対比がより確実かつ精密に行われることが期待される.
- 地学団体研究会の論文
- 2004-05-25