中国の非流通株改革と企業統治の展望(第1報告,自由論題報告,日本経営教育学会第54回全国研究大会)
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概要
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中国においては株式会社制度と、社会主義的所有である公有制を結合させる形でこれまでの企業改革が行われてきた。現在、大規模上場企業の大半が、国家の代理人である国有持株会社によって所有されている。また、これらの国家の代理人である持株会社の所有権を一定以上に維持するために非流通株の制度によって株式市場が分断されてきた。2005年以降、この非流通株制度を無くす改革が上場企業で行われているが、これは単に証券市場の改革となるだけではなく、中国の企業統治に深く関わる問題である。特に多くの企業の臨時株主総会で決定された持株会社から一般株主への対価の支払いは、支配株主と一般株主との利害の相反を顕著に表している事例である。非流通株改革は、企業の所有権に関わる問題が、企業改革の手段として用いられたと考える事のできる問題である。今回の非流通株改革の特徴・問題点と、中国の企業統治改革の近年の方向性について明らかにする。
- 日本経営教育学会の論文
- 2006-10-27