組織研究における「実践」の意義(第2報告,自由論題報告,日本経営教育学会第54回全国研究大会)
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概要
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近年、「実践」という概念が組織研究において注目を浴びている。とりわけ旧来の研究とは異なり、知識の獲得や組織の学習は実践において可能であるという研究がナレッジ・マネジメントや組織学習の分野で進展している。このような組織論における近年の「実践」に対する関心に基づき、本報告では、まず、既存研究の問題点を社会的コンテクストとの関連から考察し、既存研究が拠って立つ理論的背景を示した上で、近年の「実践」からのアプローチの進展を示していく。その上で、実践をベースとした研究の有効性を、行為と実践、および実践ベース・アプローチの観点から提示していく。さらに、組織研究における実践ベース・アプローチの有効性を示した上で、組織研究において実践をいかに記述することが可能なのかを考察していくこととする。結論として、実践ベース・アプローチを展開することにより、これまでとは異なった組織現象の記述を可能とすることを示す。しかしながらこのことは、理論の有効性を減じてしまうのではないかという懐疑を想起させることともなる。その点についても若干の考察を行い、本報告を締めくくることとする。
- 2006-10-27