『パンチャタントラ』中の挿話の発展 : 「烏と蛇」「鷺と蟹」「鷺と蛇とマングース(いたち)」
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概要
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本研究は、古代インド説話集として知られる『パンチャタントラ』中の3話の様々な版を比較研究するものである。その際、アラビア語、シリア語、ヘブライ語及びサンスクリット語で書かれた殆どの現存する『パンチャタントラ』の支本、サンスクリットやパーリ語で書かれた他の説話集中のパラレルを、民話をも視野に入れつつ調べる。本研究において取り扱う3話、すなわち「烏と蛇」「鷺と蟹」「鷺と蛇とマングース」は、『パンチャタントラ』の殆どの支本に含まれる-アラビア語版である有名な『カリーラとディムナ』、その初期翻訳の殆ど、及び失われたパフラヴィー版から直接訳された古いシリア語訳を含めて。「鷺と蟹」はパーリジャータカにもパラレルを持っている。本研究の主な目的は、各挿話のプロット及び導入詩節の発展を調べ、導入詩節とそれに続く挿話がいかに影響しあい、またいかに各テクストが依存しあっているかを示すことである。また、様々な文化/宗教を背景に持つ作品中に含まれるこれらの挿話を調べることにより、こうした文化/宗教の違いが文言や話の筋に及ぼす影響についても示しうることを期待している。
- 1999-03-31
著者
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