コア・コンピテンスと組織構造 : 強い本社と混血的事業部制
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概要
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コア・コンピテンスとは,すぐれた戦略を生み出す能力であり,いろいろの製品に共通の能力,消費者の求める能力,他社の真似し難い能力である。強い本社は強い競争力,強いコア・コンピテンスを生む。とくに大きな本社を必要とする条件は,(イ)製品が高技術品のとき,(ロ)関連多角化のとき,(ハ)内部成長によるとき,等である。また専門化企業のときにも大きな本社をもつ。反対に次のときには本社は小さく,強いコア・コンピテンスはないが,業績のよいことがある。(イ)製品が低技術品,(ロ)無関連多角化,(ハ)買収と売却による多角化。本社の機能はトップを助けつつ,(イ)すぐれた新戦略を探索し,(ロ)専門的知識を蓄積し,(ハ)また専門的サービスを集中して各部に提供して,強いコア・コンピテンスを形成することである。事業部制による権限委譲は,小さな環境変化には適するが,大きな環境変化への革新的適応には適さない。混血的事業部制及びマトリクス組織は,利益責任を明らかにする上では,やや欠点があるが,新しい戦略に資源を動員し易い。また機能別の能力の育成に適する。別の表現をもってすれば,部門間のインターフェースをよくし易く,集中的にコア・コンピテンスを育成し易い。
- 日本経営学会の論文
- 1999-05-30
著者
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