LCP(液晶ポリマー)の高機能化(透明耐熱性樹脂・一般)
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概要
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液晶ポリマーはその優れた耐熱性、低吸湿性に加え、溶融時の高流動性などの易成形加工性を有するため、ファインピッチコネクター、ソケット、リレーなど精密加工の必要な電子部品用の材料として幅広く利用されている。最近ではこの液晶ポリマーの優れた低熱膨張性、高周波特性も生かしフィルム材料をベースに用いた多層FPC、高多層リジッドプリント配線板などのプリント基板材料などへの展開も盛んである。このフィルム用途への展開では、液晶ポリマーはもともと溶融時に方向性(配向性)を示すことで射出成形時の高流動性などを発現することが特徴であるため、従来の溶融成形方法(インフレーション、押し出し等)では得られるフィルムの特性に、加工時の流動方向(縦)、流動方向に垂直な方向(横)で差が出る(異方性)など不具合を生じ、この異方性を回避するため、フィルムの加工に各社オリジナルな工夫がなされていた。弊社では、このような異方性の制御方法として、根本的に方向性を生じる溶融状態のプロセスをとらない、液晶ポリマーを溶剤に可溶化してフィルム化する溶剤キャスト法の開発に成功したので、液晶ポリマーの高機能化の例としてここに報告する。溶剤キャスト法を採用することで、従来の溶融加工では困難であったフィルムの薄膜化や、銅箔・銅メッキなどの導体との密着性の改善、低アウトガス化など様々な効果が確認でき、FPC、リジッド基板などのプリント基板周辺はもとより、様々な部品材料への展開が可能であると考えている。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-10-16
著者
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