胎児減数術の臨床的・倫理的問題について : 文献的考察
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概要
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最近の生殖生理学の進歩は,不妊症を始めとする治療法の多様化を来し,従来の医療技術では起こり得なかった様々な新しい法的或いは倫理的問題を投げかけるようになった。その一つに,多胎妊娠の胎児減数術があげられる。多胎妊娠は自然にも起こるが,不妊症の治療によっても起こる。多胎妊娠は,胎児数が増すほど母児共に周産期管理上の問題が多くなる。一方,超音波断層装置の精度が向上し,妊娠初期の多胎妊娠を正確に診断できるようになり,多胎妊娠のうちいくつかのみを中絶することをも可能にした。このような背景から,品胎以上の多胎を妊娠した場合,そのまま妊娠を継続するか,全胎児を中絶するか,減数術を受けていくつかの胎児の生存を図るかの選択が迫られる。多胎妊娠に減数術を行うことについては,技術的,倫理的,あるいは法的問題があり,今後十分に検討すべきと思われる。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1991-04-20
著者
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