倫理委員会の役割についての一考察
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概要
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我が国では,新しい医療技術を導入するための社会システムの整備に関する議論が不十分であり,とりわけ各大学医学部等におかれている倫理委員会の役割や権限そのものについての議論や反省が乏しい。国をあげて脳死と臓器移植の問題を検討しようとする矢先に,東大医科学研究所倫理委員会で脳死体から臓器を摘出してもよいと表明したことなども,そうした状況をよく表していると言えよう。本論は,東大医科研の事例からその役割と権限を検討し,倫理委員会を,国民共有の理念,医師会の倫理綱領,国の決定事項等を各機関の実状に即して実現するための一機関として位置づけることを提案したものである。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1991-04-20
著者
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