同時性多発肝転移,骨転移を来した直腸腺扁平上皮癌の1例
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概要
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同時性多発肝・骨転移を認めた直腸腺扁平上皮癌を経験したので報告する.症例は73歳の女性で,便柱狭小化と腰痛を主訴に来院した.直腸Rs領域に半周性の3型病変を認め,生検で低分化腺病と診断された.同時に遠隔リンパ節転移,肝両葉にわたる多発肝転移,第1仙椎への転移も認められた.局所に関しては出血,狭窄症状のコントロール目的でHartmann手術を施行した.痛理組織学的検査で,直腸腺扁平上皮癌,Rs, Type3, ss, ly3, v3, n2, H3, P0, M1でStage IVと診断された.術後化学療法は大腸癌に準じて5-FUによる肝動注,CPT-11と1-LVによる全身化学療法および骨転移に放射線治療を行った.本疾患はまれで,いまだ確立された治療法はないが,多発転移を伴う直腸腺扁平上皮癌に対して今後,薬剤感受性試験や分子生物・遺伝子学的方法による補助療法の工夫が必要と考えられた.
- 2006-10-01
著者
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夏越 祥次
鹿児島大学腫瘍制御・消化器外科
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北薗 正樹
鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科
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石澤 隆
鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科
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佐々木 健
鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学
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愛甲 孝
鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学
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永田 耕治
埼玉医科大学国際医療センター病理診断科
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北園 正樹
鹿児島大学腫瘍制御学
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永田 耕治
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科人体病理学腫瘍学分野
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佐々木 健
浜松医科大学
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北薗 正樹
鹿児島大学消化器外科
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石澤 隆
鹿児島大学 第1外科
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永田 耕治
鹿児島市医師会病院 放射線科
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永田 耕治
鹿児島大学大学院人体がん病理学
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永田 耕治
鹿児島大学人体がん病理学
-
愛甲 孝
鹿児島大学
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夏越 祥次
鹿児島大学 保健学科外科分野
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佐々木 健
鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科
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佐々木 健
鹿児島大学医学部第一内科
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