運動技能の学習に及ぼす結果の知識の相対頻度と自己評価の効果に関する発達的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,成人と児童の運動学習における結果の知識(KR)の相対頻度と反応結果についての自己評価の相互作用を調べることであった。成人40名と小学校3・4年生の児童48名は,それぞれ習得期に,2つのKR頻度(毎試行後KRが与えられる100%KRと奇数試行毎にKRが与えられる50%KR)及び自己評価の指示の有無からなる4つの条件のいずれかのもとでボールの的当て課題の練習を行なった。習得試行終了の10分後及び24時間後に保持検査として的当ての正確さが調べられた。結果はガイダンス仮説(Young and Schmidt, 1992)と一致せず,成人,児童のいずれにおいてもKR頻度間に有意なパフォーマンスの差は認められなかった。これらの結果は,課題の困難度とKR頻度の間に交互作用があることを示唆するものと解釈された。他方,児童においては自己評価の指示はパフォーマンスの保持を促進したが,成人においてはその傾向は認められなかった。このことから,反応結果についての自己評価の指示は児童の運動学習を促進する重要な要因であることが示唆された。
- 2006-03-20