問題行動のある中2男子および関係教諭との連携によっていじめが解決した事例
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概要
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本論文では、問題行動のある中2男子生徒が、いじめに遭っている男子を支援し、スクールカウンセラーと関係教諭が連携することで、いじめが解決した事例を報告した。問題行動のある男子は、盗癖があったが、面接中に盗癖や窃盗に関して語ることは一切なかった。カウンセラーがその男子の話を評価することなく傾聴、受容、共感し、また、担任教諭がその男子を支えることで、その男子は友人や親に対する自己主張の方法や対人距離のとりかたを身につけていった。そして、いじめに遭っている同級生を支えることを通してその男子は成長し、いじめが解決して終結となった。いじめに遭っている男子は、初回面接時から明確な自己主張が可能で、カウンセラーと解決策を話しあうかたちで面接が進んだ。カウンセラーは面接での話しあいをうけて、関係教諭と連携をとりながら問題解決を模索した。いじめの解決は男子生徒の意向に添うかたちではなかったが、その問題が解決したことで終結となった。事例の報告後、いじめは関係教諭へ情報開示し、連携したからこそ解決できたことを考察した。その反面、秘密保持と情報開示や関係教諭との連携の難しさを考察した。最後に、スクールカウンセリングにおいて関係教諭と連携をする際に問題となる秘密保持と情報開示についていくつかの点を課題として指摘した。
- 2005-09-01