久米島における明朝系瓦の特質とその意義
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概要
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本稿では、近世に登場する久米島における明朝系瓦の特質と、その歴史的意義について検討した。明朝系軒瓦を瓦当文様とその成形技法から4期に区分する。I期を近世の前半で灰色瓦期で、資料は僅少であるが、丸瓦と平瓦の2種類のみの段階と推定する。II期は近世の後半で赤色の軒丸、軒平瓦が各1種類登場する。III期は近代で、軒丸瓦が2種類、軒平瓦が4種類に増加する。IV期は現代で、さらに増加し軒丸瓦が8種類、軒平瓦が7種類となる。これら資料には宮古、八重山諸島のような独自の変容はみられず、むしろ沖縄本島から製品を移入し続けている実態が認められ、したがって、その推移や屋瓦の使用規制もほぼ沖縄本島と近似していることがみえてきた。
- 2006-03-31