「少女名作」という発想 : 戦後の再話叢書の一側面(II.人文・社会科学系)
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概要
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一九五〇年代から七〇年代を中心に、とくに「少女」向けと銘打った翻訳・再話の叢書が、いくつかの出版社から、相次いで、また版をかえつつ、出版された。従来の日本における「少女小説」に対し、戦後的な「教化」「啓蒙」の観点で翻訳・再話し紹介する、という意識が相当程度強く見られる。他方、時間がたち、版を変えるとともに、「伝統」「古典」的な作品群中心になる傾向もうかがえる。さらに、一般の大衆文学作品がもととなり、その映像化などともかかわらせられるような問題も、見つけられる。今回は、こうした叢書を概観して整理をする中から、読者としての「少女」という問題がはらむものを、さまざまに提起した。
- 2006-02-28